銘木表札の木材について

日本にある約1500種の木の中で木材として利用価値が高いものが約100種以上、そのうち表札などの彫刻品として使用される木材は数十種に絞られます。そんな選ばれし木材を銘木と言います。そんな銘木にまつわる豆知識をご紹介します。

表札用銘木の条件

銘木表札
表札に使用される木材の条件
●加工のしやすさ
●耐久性
●木目の美しさ
●手頃な価格

銘木の種類

彫刻に適した木材は数多くございますが、当サイトで取扱いの銘木を中心にご説明させていただきます。

樹木名 分類 心材の硬さ/耐久性 特徴 商品
ケヤキ 落葉広葉樹 硬く強靭/高 刻字に適した木材の中で最も堅く、年数を経たものほど高価で大きくなると高さ20m、直径2mにもなる。
ヒノキ 落葉広葉樹 軟/中 淡黄色で光沢があり、香りが良い。生産地は長野県南西部の木曽ヒノキが有名。
サクラ 落葉広葉樹 硬/高 日本の国花でもあるサクラ。赤褐色で堅く木目は均一。
一位イチイ 常緑針葉樹 中/高 はるか昔、高官の持つ木笏(もくしゃく)がこの木から作られたことで、最高の位階であると言うことが名前の由来。

銘木表札の彫刻工法

書き文字
書き文字
書家さんが毛筆に墨を含ませて銘木に直接、揮毫します。
サンドブラスト彫刻(文字凹)
サンドブラスト彫刻(文字凹)
文字以外の部分をマスキングし、微小の砂粒を高圧で吹き付けて、マスキングしていない文字の部分を彫刻します。彫刻面は真っ平らではなく、年輪に沿って自然で小さな凹凸ができます。
手彫り彫刻/薬研彫り(文字凹)
手彫り彫刻/薬研彫り(文字凹)
彫刻刀1本で彫刻することから”一刀彫り”と言われ、文字の部分をVの字に彫刻します。その彫刻技法を”薬研彫り(やげんぼり)”と言います。
手彫り彫刻/かまぼこ彫り(文字凹)
手彫り彫刻/かまぼこ彫り(文字凹)
彫刻刀1本で文字の輪郭に溝を彫り、文字の断面が『かまぼこ』の断面のように丸くなるよう仕上げます。※現在、かまぼこ彫りのご注文は承っておりません。
サンドブラスト彫刻/浮かし彫り(文字凸)
サンドブラスト彫刻/浮かし彫り(文字凸)
文字の部分をマスキングし、微小の砂粒を高圧で吹き付けて、マスキングしていない文字の周囲を彫刻します。彫刻面は真っ平らではなく、年輪に沿って自然で小さな凹凸ができます。

木材の断面から見る部位の名称

木材の断面から見る部位の名称
心材(しんざい)
木の中心を髄(ずい)といい、この部分は割れるので使いません。その髄のまわりの赤みががった色が濃い部分を心材(赤身とも言う)と言います。心材は油分が多く含まれ目も詰まっており、材質が乾燥して引き締まっているため、刃物がよく切れます。
辺材(へんざい)
心材のまわりの白みががった部分を辺材(白肌とも言う)と言います。辺材は油分が少ない分、水分を吸収するために腐りやすく、乾燥によって伸縮します。素材を選ぶ上では、心材と辺材が混じっている場合は、なるべく心材の部分が多いものを選びます。

方向によってあらわれる木目の違い

1本の材木から板を切り出す際、木の年輪に対して切り出す方向で現れる木目が異なります。

方向によってあらわれる木目の違い
柾目(まさめ)
上から下まで真っ直ぐに木目が通っています。狂いが少ない。
板目(いため)
山形やランダムな曲線が魅力。十分に乾燥させて製材しないと狂いがでやすい。

板にも表と裏、上下左右がある

表札など刻字製品の一枚板をとってみてもTPOがあり、表と裏、上下左右の向きには決まり事があります。その決まり事を知って木の特性を最大限活かしましょう。

表と裏の向き
表と裏の向き
木表(きおもて)は木材の外側(樹皮側)、木裏(きうら)は木材の内側(髄側)になります。
上下の向き
上下の向き
木が植わっていた時と同じように根っこ部分が下になります。真っ直ぐの木目が入っている柾目の場合は分かりづらいですが、木目の幅が広い方を根っこ側とします。
辺材と心材の上下の向き
辺材と心材の上下の向き
辺材と心材が混ざっている板は心材(色が濃い方)を下とします。
左右の向き(右から左へ書く場合)
左右の向き(右から左へ書く場合)
横向きの場合、木の上方から根っこ部分に向かって書きます。真っ直ぐの木目が入っている柾目の場合は分かりづらいですが、木目の幅が広い方を根っこ側とします。
左右の向き(左から右へ書く場合)
左右の向き(左から右へ書く場合)
横向きの場合、木の上方から根っこ部分に向かって書きます。真っ直ぐの木目が入っている柾目の場合は分かりづらいですが、木目の幅が広い方を根っこ側とします。